【足利市で家を建てる方】地鎮祭とは?必要なものや費用など解説致します!



月や月食は霊的な事象として古くから日本人の心に寄り添い、悠久の時を経て独自の文化観を形成していきました。

同様に歴史的に日本人の心に根付くものとして、「神道の文化や祭式」が連想されると思います。

今回は「土地」の「お祓い」をテーマに、「地鎮祭」の意義や段取りについてありがちな疑問をもとに解説していきたいと思います。

 

 

 

| 土地お祓いの歴史と現在 


日本では古来より、あらゆるものに神が宿るという信仰がなされていました。

自然を利用するときには神々の許可を得る文化が根付いており、土地のお祓いも神事の一環として民の間に浸透していきました。

飛鳥時代には、藤原京の建設の際に地鎮祭を行っていたことが歴史書に記録されているそうです。

日本の人々は古くから宮殿や神宮の建築に関しては、神職を呼んで土地の神々を祭っていたとされています。

俗に建築の「三大祭式」と呼ばれる”地鎮祭(じちんさい)””上棟祭(じょうとうさい)””竣工祭(しゅんこうさい)”は今なお多くの人たちに必要とされる儀礼としてその形を残しています。

現在では新築住宅の中で約半数ほどが地鎮祭を執り行うそうです。

かく言う私も自宅の建築の際に地鎮祭を執り行いました。

 

 

|地鎮祭とは?その意義は? 


地鎮祭とは、住宅や店舗などの建築や土木工事を行う際に、その土地に住む守護神を奉るための祭です。

正しくは「とこしづめのみまつり」と読みますが、一般的には「ぢちんさい」や「ちぢんさい」と呼ばれます。

地鎮祭の意義としては

・土地や建物が永らく安全かつ強固なものであるようにと祈願する

・土地の守護神に土地利用の許可を願い求める

子孫繁栄、病や事故などの不幸に合わないように祈る

などがあげられます。

特に新築住宅の建造は人生の大きな節目となる大イベントなので、一家の主としての自覚を持ち、家族とともに気を引き締める貴重な機会であることを意識したいものです。

 

 

|どこの神社に依頼する? 


地鎮祭はどの神社に頼んで執り行うのが正解でしょうか?

それを知るため、まず初めに

・ハウスメーカーが神社と提携している場合

・直接神社に依頼して執り行う場合

のどちらに当てはまるかを確認しましょう。

自分で直接依頼する場合には、各々の土地に「氏神様」と呼ばれる神社があるため、そこに依頼するのが一般的です。

例えば、栃木県内で土地の氏神様を確認したいという場合には各県の神社庁に直接電話を、神社の場所を知りたいという場合にはHPから検索することができます。

 

※下記URLから足利市内の神社を検索出来ます。

足利市の神社 « 栃木県神社庁 (tochigi-jinjacho.or.jp)

 

 

 

| 地鎮祭で事前に用意すべき物とは? 


地鎮祭を執り行うにあたって、どのような用意が必要であるかは各地方や神社によって異なります。

ここでは足利市で行われる地鎮祭を例にあげ説明させて頂きますが、必ずハウスメーカーや神職と相談し、当日までに何が必要となるか事前に確認しておきましょう。

 

①お金 

地鎮祭を行う際には、玉串料(=初穂料、榊料)というお供えのためのお気持ちをのし袋に入れて渡します。(のし袋の書き方についてはまた下記で説明します。)

神棚へ納める額として、大体2万の玉串料を包むのが相場となっています。

祭式の合間に玉串料を奉納する場合が多いため、基本的には神職が到着したタイミングで渡すのが良いですが、地鎮祭で奉納しない場合には後で渡しても大丈夫です。

また、工事関係者の方にもお金を渡したほうが良いのか?という疑問もあると思いますが、一般的に地鎮祭で工事関係者の方へお金を渡すことは少ないです。

 

②お供え物 

お供え物を施主負担で準備する場合には、占めて1万円ほどのお金がかかることが多いです。

具体的には酒/米/水/山の幸/海の幸/野の幸を用意することになります。

また、儀式用の竹などが施主の負担で必要な場合には別途一万円程度かかることもあります。

お供え物に関しては、施主負担の場合と工務店やハウスメーカー負担、あるいは神職が持参してきてくれる場合もあるため、事前に確認を取っておきましょう。

 

③粗品 

地鎮祭後のあいさつ回りをするときに近所の方へ渡すための手土産です。

粗品はタオルやラップ・洗剤などの消耗品を渡すのが一般的とされています。

粗品の価格は500円前後が相場です。

こちらも会社側が用意してくれるところがあるようです。

 

 

| 流れや所要時間は? 


①手水 ②修祓 ③降神の儀 ④献饌の儀 ⑤祝詞奏上 ⑥散供の儀 ⑦草刈初の儀 ⑧穿初の儀 ⑨鎮物埋納 ⑩玉串奉奠 ⑪撤饌の儀 ⑫昇神の儀

といった流れで進行します。

穿初の儀」と「玉串奉奠」で施主にも役割があるため、個別で紹介します。

 

穿初の儀(うがちぞめのぎ)

「エイエイエイ」と叫びながら、クワで盛砂を崩していきます。

土地の起工を神に知らせるための儀式といわれています。

地域によっては施主が「草刈初の儀(くさかりぞめのぎ)」を担当する場合もあります。

地鎮祭の鍬入れのやり方は?

鍬入れの方法なのですが、用意した盛砂を鍬で掘る仕草を3回程度繰り返すだけです。

鍬入れの順番は、一般的には左→中央→右の順番になります。

鍬6+入れの順番は地域や地鎮祭を執り行ってくれる神社によって変わることがあるので、気になるようでしたら事前に神職の方に確認しておきましょう。

地鎮祭の時の鍬を盛砂に入れる際に、

「エイ、エイ、エイ」

と掛け声を出す場合が多いようです。

 

では、なぜ「エイ」と掛け声を出す必要があるのでしょうか?

理由は様々で、一つ目は鍬で耕すときに力が入りやすいからというものです。

 

二つ目は「エイ」は漢字に変換すると「栄」で、「家が栄えますように」と言う意味を込めての掛け声であるということと。

 

三つ目は日本語の変化の語源となるパターンとして多い「家→いえいえいえいえいえ・・・えい」から「エイ」になったということです。

他にもまだまだ理由はあると思いますが、「エイ」と言う掛け声は「家」に掛けている理由のものが多いようです。

 

 

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

1.玉串を両手で取る(右手が枝の上、左手が枝の下)

2.一礼し、玉串の根元を自分に向けて直立

3.根元が祭壇のほうを向くように玉串を(時計回りに)回転させ、祭壇に収める

4.二礼二拍手一礼

といった流れをこなしていきます。

玉串奉奠は七五三や結婚式などで祝詞をもらう際にも行う儀式です。

 

地鎮祭の所要時間は30分程度になります。

式の段取りは、大体の場合神職が組んでくれるため、当日は特にスケジュール管理をせずに参加して大丈夫です。

 

 

| 日取り 


良いとされるお日柄 大安・友引・先勝
避けられがちなお日柄 仏滅・赤口

 

一般的には、「吉日」の午前中に地鎮祭を執り行うことが縁起が良いとされています。

しかしながら関係者全員の日程を合わせ、地鎮祭を執り行うのは著しく困難であると思います。

結局のところ、当事者の間でスケジュールを調整し、より良い時期で折り合いをつけていくことが大切です。

そもそも地鎮祭は神道の行事であるため陰陽道を源とする六曜を持ち出す意味がない、と割り切る方もいらっしゃるようです。

 

 

| 参列者 


最小限の場合は、神職と施主及びハウスメーカー代表者のみ参加という形で行うこともできます。

施主の家族が参列するかは自由です

少し長い儀式になりますので、無理にお子様を参加させないでおくことも、健康上大切かもしれません。

親族の招待は任意ですが、一家族で行うことも多いため無理に日取りを合わせてまで呼ぶ必要はありません。

 

 

| 服装 


個人宅で行う地鎮祭の場合は、かならずしも礼装である必要はありません。

普段着でも十分といえます。

写真撮影の機会もあると思いますので、襟付きの服などがあれば無難です。

ただし最低限の礼節は守って儀式に臨むことが重要となりますので、短パンやタンクトップなどを着用しての参列は控えましょう。

会社関係の地鎮祭の場合は、スーツでの参列が基本となっています。

 

 

| のし袋の書き方 


のし袋とはお金を入れた「中袋」を包む封筒のことです。

 

① のし袋の上部に(御)初穂料(玉串料/榊料)と書きます。

どれを書いても間違いではありません。

礼儀として筆ペンやサインペンで書くのが一般的です。

 

② 水引には蝶結び・結び切り・あわじ結びの3種類がありますが、地鎮祭では画像の紅白の蝶結び(またはあわじ結び)が使用されます

結び切りは結婚式などのように、二度とくり返してはいけないことに使われ、蝶結びは何度もくり返してよい一般的な祝い事に使います。

水引を取り外せるものが好まれて使われます。

 

③ のし袋の下部に氏名を記入します(名字だけの記入も可です)。
家族などと連名の際には、横に名を連ねて書いていきます。
企業として出す場合には会社名(と社長の名前)を書く場合もあります。

 

 

| まとめ 


今回は地鎮祭」についてご説明させて頂きましたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

これから足利市内で地鎮祭をされる方の参考になれば幸いです。

土地のお祓いの歴史は深く、我々にとっても気持ちを切り替える貴重な機会です。

準備やスケジュール調整は大変ですが、後々になって土地の悩みを残さないために後悔しない選択肢を取りたいものです。

 

最後までお読みいただき、有難うございました。

少しでも参考になれば幸いです。